派遣会社に登録する
@まず、ネットや電話などで登録日時の予約をします。
A次に登録をします。予約をした日時に派遣会社に出向き、担当者から派遣についての簡単な説明を受けます。登録シートに必要事項を記入し、スキルチェックを行った後、面談を行うことが多いようです。
B派遣会社から仕事の紹介を受けます。
登録の際に必要な物
履歴書・職務経歴書、顔写真2枚 ( 履歴書用と登録シート用 ) 、印鑑、給与振込口座番号の確認できるもの ( 預金通帳 ) 、筆記用具などが必要になりますが、詳しいことは予約の際に派遣会社に聞いておいたほうが良いでしょう。
労働条件通知書とは登録型の場合、仕事が決まると ( 派遣先が決まると ) その都度派遣元と雇用契約を結ぶので、その労働条件について明らかにするための文書。契約期間、契約更新の有無、休日、休暇、賃金、退職、社会保険の加入などについて書かれている。
就業条件明示書とは派遣先での仕事内容や、勤務地、所属部署、派遣期間、就業時間、休憩時間、残業や休日労働の有無、指揮命令者、派遣元責任者、派遣先責任者、苦情の処理などについて書かれている文書。
労働条件の明示
労働基準法で「使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」(15条)と定められており、違反した場合は30万円以下の罰金に処せられます。明示が義務付けられている項目は以下のとおりです。就業規則に定める条件を下回る雇用契約書や労働条件通知書はその部分について無効となり、就業規則の労働条件が適用されます。 なお、太字で書かれている項目は書面での明示が義務付けられています。
事業主が必ず明示
しなければならないこと
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事業主が定める場合のみ 明示
しなければならないこと
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@契約期間
A仕事をする場所・仕事内容
B始業・終業時刻
C残業の有無
D休憩時間
E休日・休暇
Fシフト制勤務
G賃金の決定・計算・
支払方法
H賃金の締切・支払時期・
昇給
I退職(解雇理由を含む)
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@退職金
(対象者の範囲と支給の決定・
計算・支払方法・支払時期)
A退職金以外の臨時に支払う賃金・ボーナス・最低賃金額
B労働者負担の食費・作業用品
C安全衛生
D職業訓練
E労働事故の補償・
業務外の傷病扶助
F表彰・制裁
G休職
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契約期間は業種によって異なります。
種類 |
専門的26業務 ( 契約期間の制限なし ) |
事務 |
OA機器操作、フアイリング、秘書、財務処理、取引文書作成、調査 |
技術 |
OAインストラクション、ソフトウエア開発、機械設計、研究開発 |
マスコミ |
書籍等の製作・編集、広告デザイン、アナウンサー、放送機器などの操作、放送番組などの演出、放送番組などの大道具・小道具 |
サービス・
営業 |
デモンストレーション、テレマーケティング、添乗、セールスエンジニアの営業、金融商品の営業、建築物清掃、建築設備運転、点検、整備、受付・案内、駐車場などの管理 |
その他 |
通訳・翻訳・速記、事業の実施体制の企画・立案、インテリアコーディネーター |
一般的業務
( 自由化業務ともいう。
契約期間は最長3年 ) |
その他の契約期間制限アリ |
営業、販売、一般事務、医療事務、介護、製造 |
プロジェクト業務 ( 3年まで)
就業日数の少ない業務 ( 制限なし)
※就業日数が少ない→勤務日数が他の従業員の1ヶ月の労働日の半分以下、かつ10日以下であること
育児・介護休業者の代替業務
( 休業者の復帰まで )
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契約期間中は使用者側、労働者側の双方から途中で契約を打ち切ることは、基本的にはできないことになっていますが、 労働者側からは自身の健康上の理由や育児・家族の介護など、仕事を続けられない相当の理由があれば、退職が認められる場合もあります。このような理由がないにもかかわらず、契約を途中で打ち切ると、その理由によっては損害賠償が発生する可能性もあります。ただし、当面の間の特例措置ですが、1年を超える契約期間の場合は、契約期間の開始日から1年を経過すればいつでも退職できます。(
労働基準法附則第137条 )
契約の更新
派遣元指針2-2-1では、「派遣会社は派遣スタッフの雇用契約期間を派遣先と結んだ派遣契約期間と合わせるよう努めなければならない」と定めています。
派遣先指針2-6-1では、「派遣先は、派遣会社と結ぶ派遣契約の期間をできるだけ長く定めるように努めなければならない」と定めています。
労働基準法では労働者の疲労回復、能率低下の防止、労働事故の防止の観点から休憩制度を設けています。労働基準法の休憩に関する規定では、「労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働者に与えなければならない」としています。労働時間が6時間以内なら休憩を与えなくても違反にはなりません。休憩時間を有給にするか無給にするかについては定めていないので、労使交渉で決めることになります。
休憩時間を与えるときの注意点
-
労働時間の途中に与えなければならない
労働時間の前後に与えることは認められません。長時間労働を避けるためです。
-
労働者全員に一斉に与えなければならない
ただし、交代で休憩時間をとることなどを決めた労使協定があるとき ( この場合は届出不要) や以下の業種については適用されません。
例外…一斉に与えると業務に大きな支障がでる恐れがあると考えられる業種
A…運輸交通業(電車、船、飛行機などの乗務員、貨物運送など)
B…商業(販売業、配給業、賃貸業、理容業など)
C…金融・広告業(金融保険業、広告業など)
D…映画演劇業(映画の製作、演劇業など)
E…通信業(郵便業、電話事業など)
F…保健衛生業(医師、看護師など)
G…接客娯楽業(旅館、飲食店、娯楽場など)
H…官公署の事業
|
-
労働者に自由に利用させなければならない
使用者からの指揮命令から一時的に解き放たれる時間なので、派遣スタッフを自由にしなければなりません。しかし、「休憩時間の利用について事業場(会社)の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限りさしつかえない」 ( 昭和22年9月13日基発17号 ) とされているので、職場の秩序維持のために最低限の制限を加えることはやむをえないと考えられています。
休日とは1日24時間の休みのことで、労働者が使用者の指揮命令から完全に開放される日をいいます。原則的には1日の休日とは午前0時から午後12時となります。休日は最低週に1度、または4週間に4日以上とらなければなりません。週に1度とることを週休制と呼び、この場合は必ずしも日曜日や祝日を休日にしなければならないわけではありませんが、就業規則や労働協約で特定することが望ましいとされています。ただし、災害などによる臨時の必要がある場合や休日労働に関する36協定がある場合は1週間に1日の休日を確保しなくてもよいことになっています。4週間に4日以上とる場合
( 変形週休制 ) もその開始日を就業規則などに明記しておかなくてはなりません。
36協定とは派遣元と派遣スタッフが加入する労働組合、または派遣スタッフの過半数代表者との間の書面による協定で、これを労働基準監督署へ届け出なければなりません。
有給休暇をとるための必要条件
@採用日から6ヵ月間継続勤務していること ( 在籍していればよい )
A全労働日 ( 会社が労働日と指定したすべての日 ) の80%以上
出勤したこと
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上記のように条件はあくまで労働日数に関するものなので、1日の労働時間は関係ありません。1日3時間働こうが6時間働こうが有給休暇の取得条件には全く無関係で、すべて出勤日とみなされます。ただし、次項の表にあるように、1週間の労働時間数によって有給休暇の日数に違いがでてきます。仕事中のケガや仕事中の動作が原因で発生した病気による休業期間、法律で定められている育児休業や介護休業をした期間、法律で定められている産前産後の休業期間、年次有給休暇をとった日は出勤したものとみなされます。
有給休暇の日数
有給休暇の日数には2種類あり、以下のように1週間の労働日数と労働時間で区別されています。労働契約の日数が少なく、更新を繰り返している場合は実態に基づいて判断しなければなりません。また、ある特定の年に全労働日の80%以上出勤できなかった場合は、その翌年の有給休暇はゼロになります。翌年に80%以上出勤できた場合は翌々年の有給休暇は復活し、入社からの継続勤務期間の年数分が与えられなければなりません。なお、有給休暇の消滅については、有給休暇が発生した年だけでなく、翌年度においてもその請求権を失いません。
( 時効は2年 )
新しい派遣元に勤め始めて6ヶ月が経つと、有給休暇が取得可能になります。派遣スタッフの有給休暇は、その労働日数と労働時間によって付与日数が異なります。週所定労働日数 ( 1週間の労働日数 ) が5日以上か、もしくは週所定労働時間
( 1週間の総労働時間 ) が30時間以上の場合は、一般の正社員と同じ日数の有給休暇を取得することができます。 →@の表
@以外の場合、つまり、週所定労働日数 ( 1週間の労働日数 ) が4日以下で週所定労働時間 ( 1週間の総労働時間 ) が30時間未満の場合は、パートタイマー向けの付与日数が与えられることになります。→Aの表
@ 週所定労働日数が5日以上
または週所定労働時間が30時間以上の場合
継続
勤務
期間 |
6ヵ月 |
1年
6ヵ月 |
2年
6ヵ月 |
3年
6ヵ月 |
4年
6ヵ月 |
5年
6ヵ月 |
6年
6ヵ月
以上 |
有給の
日数 |
10日 |
11日 |
12日 |
14日 |
16日 |
18日 |
20日 |
A @以外の場合
週所定
労働
日数
|
継続
勤務
6ヵ月 |
1年
6ヵ月 |
2年
6ヵ月 |
3年
6ヵ月 |
4年
6ヵ月 |
5年
6ヵ月 |
6年
6ヵ月
以上 |
4日
(169〜
216日) |
7日 |
8日 |
9日 |
10日 |
12日 |
13日 |
15日 |
3日
(121〜
168日) |
5日 |
6日 |
6日 |
8日 |
9日 |
10日 |
11日 |
2日
(73〜
120日) |
3日 |
4日 |
4日 |
5日 |
6日 |
6日 |
7日 |
1日
(48〜
72日) |
1日 |
2日 |
2日 |
2日 |
3日 |
3日 |
3日 |
労働者の時季指定権
派遣元は派遣スタッフの請求する時季に与えなければなりません。つまり、派遣スタッフが「この日に有休を使いたい」と指定できます。時季とは必ずしも具体的な日時を指す言葉ではありません。裁判所の判例では年次有給休暇の請求権の性質について説明したものの中に、時季の指定について次のように述べたものがあります。「休暇の時季指定の効果は、使用者の適法の時季変更権の行使を解除条件として発生するのであって、労働者による「休暇の請求」や、これに対する使用者の「承認」の観念を容れる余地はないものである。」
( 最高裁・昭和48年3月2日判決 ) ただし、代わりの派遣スタッフを確保するための時間的余裕のない時季の指定は無効となる場合もあります。
使用者の時季変更権
派遣元は派遣スタッフの指定した日が事業の正常な運営を妨げる恐れがあると判断した場合は他の時季に変更することができます。ただし、この判断については個別的、具体的、客観的に判断して妥当とされるものでなければなりません。これは、事業の規模、内容、派遣スタッフの仕事内容、仕事の繁閑、代わりの派遣スタッフ確保の難易度などから判断するべきであるとされています。
計画的な有給休暇の付与 ( 計画年休 )
計画年休とは、有給休暇を派遣スタッフに与える時季についての労使協定を結んで、その内容にのっとって計画的に有給休暇を消化できるようにすることをいいます。労使協定は36協定の場合と同じで派遣スタッフの過半数が加入する労働組合か、もしくは派遣スタッフの過半数代表者と使用者が結びます。また、労使委員会がある場合には委員の5分の4以上の多数決による議決によって協定内容を決定することもできます。協定が結ばれた場合はこの内容に反対した派遣スタッフも対象となります。ただし与えられた有給休暇すべてではなく、5日を超える分が計画年休の対象となり、5日分は個人の都合で消化する日を決定できます。
有給休暇中の賃金
原則では平均賃金、または所定労働時間働いた分の賃金を払うことを就業規則などで定める必要があります。例外として、健康保険の保険料算定に使用される標準報酬日額を利用することを労使協定で定めることも可能です。使用者が有給休暇中の賃金を支払わない場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。また、労働者がこの件に関して裁判を起こした場合、裁判所は事業主に対して未払い金
( 賃金 ) に加えて、同額の付加金の支払を命じることができます。
有給休暇の買上げ (買取り )
派遣元が有給休暇の買上げをあらかじめ予約したり、予約することで日数を減らしたり与えなかったりすることは、派遣スタッフの既得権を侵害することになるので違法です。ただし、法定付与日数
( 上記の表に示されている日数 ) を超える分については買い上げてもかまいません。また、時効 ( 2年 )で請求権が消滅した残存休暇についても買上げをすることは違法になりません。
有給休暇の振替
派遣スタッフが過去に欠勤、早退、遅刻をした日を後日有給休暇に振り替えることは、労働者に賃金を保障しながら休養を取れるようにすることで、労働者の肉体的・精神的疲労の回復と労働力の維持倍増を図るための権利として保障するという目的から外れてしまいますが、派遣スタッフがそれを希望して、使用者が認める場合には必ずしも違法にはならないとされています。
退職直前の有給休暇の取得
派遣スタッフが退職願を提出し、残る出勤日の全部または一部に有給休暇を使いたいと申し出たとき、その権利が確立している場合には使用者は拒否することができません。事業の正常な運営を妨げる恐れがある場合で、派遣スタッフの退職日がせまっていて他の日に時季を変更できないときであっても、有給休暇取得の権利を剥奪することはできません。
不利益な取り扱いの禁止
派遣スタッフが有給休暇をとったことが原因で派遣元が派遣スタッフに対して不利益な扱いをするは違法です。
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